俺の玉ー

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外に出ても、仮面の生物はついてきた。 「何じゃお前まだついてくるんか。」 「だって、あんた場所わかんないでしょ。」 確かにそうだと心の中で思ったが、自分が考えもなしに飛び出した事が恥ずかしく、何も言わなかった。 「もしかして、今それならお前が探せばえかろーとか思ってたでしょ。でも、ざんねーん私は、この世界の物には触る事は出来ませーん。」 「そんなことはだいたい察しがついとる。 オラが気になってたのは、お主の名前じゃ。」 とりあえず、自分は分かってましたよアピールをしてみる。 「私の名前は、ネイバー.カルトルダウエー.マリよ。」 「なるほど。マリか。これからマリと呼ぶわ。」 日本風の名前かと思っていたが、カタカナで、しかも想像以上に長く最後のマリしか聞き取ることができなかった。 「マリね。りょーかい。それで呼んでちょーだい。まずは、ラムネを飲んだとこに行ってみましょう。」 言われるがままにラムネを飲んだ公園へ行く。子供たちが賑やかに鬼ごっこなどをしていた。 「そーいやさ、お前の姿は他の人には見えとんか?」 「私は、まぁ他の人に姿を見せることもできるけど、今は見えてないよ。」 「ほーう」 「じゃあ探しましょう。」 探しましょうの合図と同時に自分が飲んだところ付近を探す。 地面を見てもそれらしきものは見当たらなかった。 「な、無いぞ。み、見当たらんわ。」 「簡単に諦めないでよ。だから、あんた人生で負け組なんじゃない。」 マリの言葉が胸に刺さる。もう少しだけ努力しようと藪の中を探してみる。 すると、蟻の巣のようなものがあり、その側にはビー玉が転がってきたような後があった。 「まさか、こねーな所に入ったっていうことはねかろーな。」 そう言いつつも穴を覗き込む。あの中には、蟻がたくさんいるのが見えた。 「そのまさかよ。そん中に反応を感じるわ。あんた男でしょ何とかしなさい。」 「マジかよー勘弁して欲しいわ。」 そう言いながらも、指を蟻の巣に突っ込んでほじくり回す。 「ねぇねぇ、おじさんそこで何してるの?」 すると、公園で遊んでいた子供達が声をかけてきた。 「しっしっ子供はあっちへ行ってなさい。 ここは子供の来るところじゃありません」 遠回しに邪魔だと言ってみる。
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