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うちのタマ
うちの猫はタマという。
騒がしくはない。
家に帰り、玄関の鍵を開けていると「にゃ」と小さな声で鳴く。
恥じらいがちに短く。でもしっかりと聞こえてくる。
愛くるしい妙音。
足元にはキジトラの猫がいる。
口周りとお腹と足は白い。
ちょこんと前足を揃え、お行儀よく座っている。
「ごはん、欲しいの?」
タマを見つめてそう訊くと、タマは「にゃ」と返事をする。
そして、私の足に頭をすりつけてくる。
なんでもしようという気になる。
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