第一章「お兄ちゃんは最高ですっ!」

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「朝ね、今日ね、お兄ちゃんがご飯用意してくれてたの!これもお兄ちゃんが作ってくれたお弁当なんだぁ。あ、でもね、昨日は私が作ったのっ。朝もお弁当も晩御飯も全部私がつくるんだぁ。お兄ちゃんすごい喜んで食べてくれてね?いつもはお兄ちゃんが作ってくれているんだけど昨日は特別。あ、これ言ったっけ?言ってない?あ、良かった。でね?でね、お兄ちゃんったら『一日作らなかったから下手になっちゃったよ~』って笑いながら作ってたのー。もうその苦笑いが可愛すぎてね、私、思わず写真撮っちゃいそうになっちゃってさ~。でも手元にカメラ無いし、私ケータイも持ってないからどうしようかと思っちゃって。でね!だからもうこの脳みそに焼き付けるしかないじゃん!って思って、ご飯ができるまでの間ジーっとお兄ちゃんの背中を見つめたの。え、なんで背中なのかって?あはは、やだなぁ。顔を直接見ちゃったらお兄ちゃんに変な奴って思われちゃうよ~。それに、見ちゃったら私の心臓がマッハだよっ!マッハ!一瞬で沸騰しちゃうよっ!お弁当だけじゃなくてね?炊事洗濯掃除に育児、って、これじゃあ私が育児されてるみたいになってるね、育児はなし!でねっ、これもたまに私が代わったりするんだけど、いつもいっつもお兄ちゃんがやってくれてるのっ!大学生だからってお母さんもお父さんにもいっつも『いいよ。俺がやっとく』とか言ってもう、きゃーっ!!それでねそれでねっ!今朝、お兄ちゃんが私の取っておいた大事なおやつ食べちゃってたのが発覚したの。だから私が怒って詰め寄ったらね?焦って『明日休みだからちょっと遠出してクレープ買ってやるから、許してくれ』っていうのよ・・・?こ、これはやっぱりデート・・・?デートなのかなぁ!?はぁぁぁ・・・・・。もう、早く今日が終わっちゃわないかなぁ、明後日が本当に楽しみだよぉ。え?もうおやつの件は怒ってないのかって?やだなぁ、もちろん怒ってるよー。だからお兄ちゃんには明日名一杯私を楽しませてもらうんだっ!それで許してあげるの!まあそれは置いておいてね。この間お兄ちゃんが帰り道でおばあちゃんの荷物をもってあげてるのを見ちゃったの!しかもそのあとに、道に迷ってる人を助けてあげたり、ゴミ拾ったり、倒れた自転車を直してたりっ!すごいよね!週末はボランティア活動であまり家にいないし。気も効くし優しいし、やっぱり私のお兄ちゃんは最高だね!」
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