貴方は僕の高嶺の花

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丸く見開いた光介の琥珀色の瞳と目があった。 そのまま強く彼の腕を引き、竜也は彼を胸の中に閉じ込める。 「へっ、えっ?お、オイ、竜也?」 いつも余裕の笑みを浮かべている光介が、迷子のような顔で見上げてくる。 華奢な体を抱く腕に力を込めると、竜也は柔らかく唇の端を持ち上げた。 「光介さん」 甘ったるい声で名前を呼べば、光介がびくりと姿勢を正して息を飲む。 「先輩や後輩関係なく、いっかい名前で呼んでみたかったんです」 「な、んだよそれ。わけわかんねぇ」 弱々しく「離せよ」と光介が呟くが、彼がこの状況を嫌がっている気配はない。 脈がないわけではない。そう希望が持てた。 「水月先輩。俺、もっと練習頑張ります。それで、貴方の横に並べるようになります」 「お、おう。応援してる。でも、おれももっと上に行くからな。容赦しねーよ」 「はい」 竜也は腕を緩めて光介を解放する。 彼に並べる実力がついたら、告白しよう。そう心に決めた。 再び、竜也と光介は並んで歩き始めた。 歩きながら、竜也はふと空を見上げる。 「星、きれいですね」 「ん、ああ。ほんとだな」 同じように星を見上げる光介の白い頬が赤く染まっている。 恥かしいのか、いつもはゆったりした歩調の光介が早足になる。 やっと、心に燻る思いに少しだけ気付いてくれたらしい。 これ以上遠くに離れていかないように、竜也は光介の手を握った。 逃げ出そうとする指を捕えて握り締めると、光介は大人しくなった。 見えていても手が届かない。 そう思っていた相手の手を握っている。 それでもやっぱり、まだ彼は遠い場所にいる。 必ず辿り着いて見せる。ガラにもなく、竜也は胸を熱くした。
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