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含まれる度に、達しそうになって、必死に飲み込む言葉は重い。
あの人と別れて。
僕のところに、戻ってきてと。
いやらしい、お前はいつもこうしてすぐに蕩けて解れて、早くひとつになりたいって、身体で叫ぶんだな。
俺しか知らないんだな、本当に。
滴り落ちる汗が、唇に染み込んだ。塩辛くて、でも、喉の奥が甘ったるい。
来て、お願い。
掠れる声で求めて、僕と愛しい彼の身体は繋がる。
帰らなきゃいけない、家があると互いに知って、割りきって。
違う、割りきったふりをして。
放たれる気持ちよさは、いつも薄い薄い、化学物質に阻まれ棄てられる。それでも僕には、余韻も愛しくて、もっと欲しいと求めている。
いつか、いつかわからないけれど。
本当に、僕のものになってね。
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