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<こんなにも見事で大きな栗が、誰に拾われることも無く落ちていることだなあ>
これは、文化十年九月(旧暦)、現在でも栗の産地として有名な小布施を訪れた一茶が詠んだ句で、何の予備知識もなく読むと、どうしてそんなに立派な栗が落ちているのに拾う人がいないのか、どうしてそれを見て一茶がこのように慨嘆しているのか、分かりませんね。
小布施は当時から栗の名産地で、将軍家に献上されるほどの物でした。献上が済むまではお留め栗とされて一切の持ち出しを禁じられていたので、たとえ落ちていても誰も拾う事が出来なかったんですね。
この立派な栗を詠嘆するようなたった十七文字の奥には、こうした庶民の悲哀のような物が込められていて、だから俳句は奥が深い。
でも、こんなのは、実に一茶らしい感じが出ていて楽しいですね。
好きだなあ❤
大栗や漸とれば虫の穴
虫喰が一番栗ぞ一ばんぞ
二子栗仲よく別ろと計に
●撮影 10月中旬 石狩市
拾われる事なく落ちていた立派な大栗。
もちろんお留め栗でも無ければ、ヨソの家の木でも無いので早速拾って、美味し~いものになりましたよ♪
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