357人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
お日様みたいな明るい笑顔、叩かれた肩が抜けるくらい強い力、励ましてくれる強い言葉。これに、ディーンは力をもらった気がした。
初めてだったんだ、自分だけを励ましてくれる人なんて。助けてくれる人なんて。
「頑張れよ」の言葉が、胸にずっと熱く灯るようになった。この言葉だけで、前を向きたくなった。
頑張った。嫌いな物を食べられるようにした。限界だと思っても、後少しだけと腕を伸ばした。そうしたら、限界が少しずつ伸びていった。勝てなくて、悔しいと思うようになった。負けたくないと思うようになった。
時間外でも練習をして、勝てなかった相手に勝てるようになって、そうしたら次の目標が見えるようになった。
顔を上げて見た世界は、どこまでも広かった。広すぎて、目眩がする。俯いていたら分からなかったけれど、今は見えている。強い人達が沢山いる。凄い人達も沢山いる。そして自分はその只中にいる。
そしてドゥーガルドは自分のずっと前を歩いている。
沢山の人に聞いて知った。ドゥーガルドは二年目で、とても強い人で、今注目されている二年目のグループにいる。そのグループも凄い人達ばかりだ。
そんな人達の中にいるドゥーガルドが、ユーミル祭の時から全てになった。大好きで、思えば胸の中が熱くて切なくなる。
最初のコメントを投稿しよう!