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身長も伸びて、体も前よりは大きくなって、前を向けるようになった頃、ディーンはドゥーガルドに声をかけてみた。
覚えていないと思っていた。けれど予想に反して、ドゥーガルドは覚えていた。
「おう、お前ユーミル祭の時のチビか! 立派になったじゃないか。頑張ってるんだな」
ニッカと笑うお日様みたいな笑顔をまた向けてくれた。大きなゴツい手が頭を撫でて、偉いと褒めてくれた。覚えていてくれた。
それだけで、ディーンは泣いてしまっていた。
驚いたドゥーガルドが、話を聞いてくれた。実家での事、これまでの騎士団での事。
本当に真剣に聞いてくれたから、気持ちが楽になった。そして最終的にはちょっとウルッとして、ガッシと抱きしめてくれた。
その腕の強さに、ドキドキが止まらなかった。男の人を相手にこんな気持ちになったことはなかった。いつまでもこの腕の中にいたい。この人の為ならどんなに苦しくても頑張っていける。だから、お願いだからずっとこうしていてもらいたい。
恋だと直ぐに分かった。憧れが募って、徐々に恋をしていたんだ。
それから、ドゥーガルドは時間外に相手をしてくれるようになった。一人で頑張っているのを知って、付き合ってくれた。
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