昇級試験(ドゥーガルド)

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 思わず席をたって、ドゥーガルドは一年目が控えている場所まで降りていった。そうすると直ぐに、青い瞳を輝かせたディーンが駆け寄ってきた。 「先輩、見ていてくれましたか! 僕、頑張って……」 「馬鹿! このまま無理に勝ち進んでも怪我の元になるぞ!」  頼むから止めてくれ。怪我をする姿なんて見たくない。負けてもいいから……。  だが直ぐに、それは消えていった。ディーンが泣きそうな顔をして、次には強情に顔を引きつらせた。 「僕、負けません」 「ディーン!」 「負けません! 絶対に、負けませんから」  踵を返して行ってしまうその背を追えない。掴み損ねた手が空を掴む。どうしてやればいいか分からず呆然としていると、後ろからでかくてゴツい手が、頭蓋を鷲づかみにした。 「いっ、いででででででで!」 「おら、こっち来い」 「大将!」  後ろから頭を掴んだまま引きずるようにするグリフィスに泣きそうになりながらも、ドゥーガルドはついていく。もとい、抗えないのだが。  そうして控え室から離れた場所に連れて行かれたドゥーガルドは、上官に睨まれて小さくなっていた。 「あのなぁ、戦う意志のある奴を挫く馬鹿がいるか」 「だって!」 「だってじゃねぇ! お前とあいつの間になんかあって、それであいつが意地になってるんだとしてもだ、それはしちゃいけないことだろうがよ」     
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