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顔立ちも少し大人びたのに、浮かべる表情はユーミル祭で見たまま、どこか幼く笑顔が輝くようなものだ。甘い顔立ちも残っているから、最近人気があるらしい。
ディーンは直ぐ近くまでくると、上目遣いにドゥーガルドを見た。
「あの、仕事は終わりましたか?」
「ん? あぁ、おう、終わったぞ」
最後の荷物をしまい、後は鍵をグリフィスに渡せば終いだ。
ディーンは途端に瞳を輝かせると、積極的にドゥーガルドの腕に自身を絡ませた。
「お食事一緒にしてもいいですか?」
「ん? あぁ、別に構わんが…」
それは構わないのだが、どっちかと言えば絡ませた腕が問題だ。ひっついてくる体をより密着させてくる。通り過ぎる奴らが何か笑ってやがる。
「なぁ、ディーン。もう少し離れろ。歩きづらいったらない」
「ダメ…ですか?」
途端に悲しそうに青い瞳が歪む。耳があれば垂れただろう。そんなものを見せられると、ドゥーガルドは自分が悪いような気がしてしまう。
「いや、ダメってわけじゃ…」
「本当ですか!」
一瞬で目が輝き、より腕をギュッと掴んでくる。これにはもう何と言っていいものか。
結局そんなディーンを連れて食堂に行く。最近じゃこれも見慣れてきたのか、誰も何も言わなくなった。
ドゥーガルドは早上がり組、レイバンは遅上がりだから最近食事の時間が被らない。
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