私の想いを…

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「ああ。……確かに、俺が見たのはほとんど島の後ろ姿だったから、さっきのような態勢になっていたなら、勘違いしたと思う」 「そうだよねっ!よかった~!『ヒロくんとキスしてた』なんて匠くんに言われて、本当にびっくりした!だって、ヒロくんだよ!」 匠くんの言葉にホッとした私は、 ハハ~ッと笑ってそう言った。 それまでは軽く微笑んでいた匠くんが、急に眉間にシワを寄せ表情を変えた。 「でも!美羽は無防備すぎる。いくら仲のいい同級生だとはいえ、島も男だ。あまり隙を見せるな!」 不機嫌に言い放った匠くんに、私は目を丸くした後クスッと笑った。 「やだな~!匠くん。ヒロくんファンみたいな事、言わないでよ!長い間一緒にいたけど、ヒロくんも私もお互いの事、男とか女とか全然考えてないのに……」 私のその言葉に、匠くんの片眉がピクッ!と上がった。 あっ、あれ~……匠くんの背後に、真っ赤な怒りのオーラが見えるのは、気のせいかな……? 思わず肩を竦めて、匠くんを上目遣いで見た。 ハァ~……と大きく息を吐いた匠くん。 「ある意味、島も気の毒なヤツだ。……その事は、今日はもういい。いつまでも、他の男の話をするのはおもしろくないし。美羽には、これからじっくりと教えていくから」 匠くんの笑みが、黒く見えるのはどうしてだろう?私は、ブルッと身震いした。 一度目を伏せた匠くんが、再び私を静かに見つめる。 「美羽、改めて俺の気持ちを伝えるから」 匠くんの言葉に、私も匠くんを見つめながら、小さく頷いた。 「美羽、ずっと好きだった。長い間美羽と離れていたけど、いつも何か欠けているような気がしていた。…美羽と一緒に過ごすようになって、笑ったり、怒ったり、呆れたり……気持ちがいろいろと変化するようになった。小さな事にも、幸せを感じられるようになったんだ。美羽、これから先も俺の傍にいてくれないか?……お互いがおじいちゃんおばあちゃんになっても、変わらず俺の傍にいてほしい」
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