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4.真っ暗闇で2人
迎えた土曜日。
今日はついに、蓮見さんと初デートで映画を観に行く日。
いつもより念入りにメイクも頑張ったし、髪も念入りにブローした。散々迷ったけど露出しすぎても蓮見さんにはきっと効果がないだろうと、膝上3cmくらいの涼し気な花柄ノースリーブワンピに決めたけれど、やっぱりどうせならもっと出せるとこ出しとけば良かったかな…なんて。
……あぁ、蓮見さんも思わず押し倒したくなるくらいの美貌を持って生まれたかった。
ノースリーブじゃ心配だったから、もちろん薄手のカーディガンを羽織って日焼け止めを塗りたくった。
普段、散々ピンヒールばかり履いているけれど、今日は大事な日だし。万が一足が痛くなったら蓮見さんに迷惑をかけてしまうかもしれない。
そんな考えから、ヒールは3cm程度に抑えた履き心地重視のサンダルに足を通して、
ヨシ、バッチリ!!なんて自分に自分で気合を入れた私は急いで部屋を出た。
天気はあいにくの曇り。
午後から雨の予報で、一応 折り畳み傘は持ってきたけれど……さすがに蓮見さんと相合傘出来るほど大きくない。
かくなる上は、蓮見さんが濡れないように必死にお守りせねば!と心に固く誓って、駅までの道を走る。
時間はたっぷりあるのに、蓮見さんに会えると思うと気持ちばかり先走って、結局いつも走っているような気がする。
だって、待ち遠しいんだもん。
少しでも早く、会いたいんだもん。
蓮見さんは今、どんなこと思いながら私とのデートに臨もうとしているんだろう。あーだるいなぁ、とか。めんどくせーとか。そんな気持ちだろうか。
少しは"二人きり"ってことにドキドキしてくれてたら嬉しいのにな。……いや、そもそも女として見られてるかも怪しいし、妹と映画観るような気分だったらどうしよう。泣ける。
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