4.真っ暗闇で2人

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改札を出てすぐ、休みの日ということもありごった返す駅前で愛しい人を探す。 いつもは警察官の制服姿だからすぐに見つけられるのに、今日は蓮見さんも私服のはず。 似た人を見つけては違う、と落胆を繰り返す。 待ち合わせの10時まであと5分。 もしかしたらまだ来てないのかな?なんて、近くのベンチへ歩き出した私は、 「おい」 すぐ後ろで聞こえた愛しい声に反射的に振り向いた。 「っ、蓮見さん!」 「キョロキョロしてんじゃねぇよ」 「人が多くて……」 苦笑いを浮かべる私に、会って早々呆れているらしい蓮見さん。蓮見さんが声をかけてくれなかったらまんまと迷子になってたかも……そう思うと無事に会えたことに心底ホッとする。 って!!! 会えたことに安心してる場合じゃない。 目の前にモノトーンにまとめられたシンプルコーデの蓮見さん。 白のビッグシルエットTシャツの下から覗くグレーのロンTに、ブラックのジョガーパンツを合わせて、足元は爽やかに白いスニーカー。 ……こんなにシンプルなコーデなのに、めっちゃくちゃかっこいいのは、やっぱりモデルがいいからなのか。 飾りっけのない私服は蓮見さんらしいなって思うけど、あまりにも爽やかな私服姿は普段の制服姿からは想像もつかない。 レア過ぎる。 レア過ぎますって、蓮見さん!!! やばい、今日1日私服の蓮見さんと一緒にいられるとか幸せすぎて映画どころじゃなくなった、無理。
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