じゃあ、死んでみますか?

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 3年付き合っていた彼と、連絡が途絶えてから1か月が過ぎた。  私は30歳、26歳になる彼は大学の研究室にいて忙しく、1か月に一度ぐらいしか会えなかった。なんでもいまだ絶えない自殺する人を助けるための研究をしているのだという。  けれど、彼に会えないさみしさで私のほうが死にたくなってしまった。  その不満をぶちまけたら、けんかになってしまい、その日から連絡が無くなってしまった。    それでも日常とは頑固なもの。朝はいつものようにやってきて、仕事はしなければならない。  私はいつも使っている小さな私鉄の駅にいた。  彼からの連絡が無いのが本当に辛くなってきた。縁りを戻すために連絡しようかと何度も考えた。  けれどまた同じことを繰り返してしまうようで怖かった。思考がぐるぐる回る私の目の前を急行電車が轟音をたてて通過していく。 「(あれに飛び込めば、簡単に死ねるのよね、もういっそ死んじゃおうかしら……)」  と、思ったその瞬間だった。 「じゃあ、死んでみますか?」  いきなりの声に振り向くと、ブレザーを若干着崩した女子高生が、不気味な笑みを浮かべて私の後ろにいる。 「え?」  何のことかわからず反応に困っている間に、普通列車がホームに入ると同時に私の体は宙に浮き、そこで意識が消えた。
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