神を殺す日

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神を殺す日

 今日は特別な日だ。  何故なら俺が、世界の王になる日だから。  西暦2218年。人類は宇宙の開拓と枯れゆく地球での生き残りを懸けて、不老不死を求めた。不老不死の肉体は超長期的な宇宙航行や、有限な資源を浪費せずに生きることを可能にする、理想的な進化の形だったからだ。  一昔前ならファンタジーだと嗤われたであろう不老不死の夢は、23世紀にもなるとあと一歩で実現可能というところまで肉薄した。人間の体にナノマシンを注入し、驚異的な再生能力と老化抑制、その他諸々の恩恵を与えることが、理論上可能となったためだ。  俺の名は被験体M-06-JP0311-57。  長いので皆にはM-06と呼ばれた。不老不死実験のために造られた人造人間(クローン)で、オリジナルが誰かは知らない。この実験の成功のため、ひいては人類存続のため、特定研究機関で製造されたクローンには人権を付与しない――なんてイカレた国際法が成立してから57年後に俺は生まれた。言わば人型のモルモットというわけだ。     
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