神を殺す日

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 だから俺は、手始めに生みの親であるイシイを殺し、ヤツの研究成果をひとつ残らず闇に葬り、研究所を爆破した。世界の王になるためには、俺以外に不老不死の個体が生まれると対処が面倒だと判断したためだった。  さらにイシイが製造したナノマシンは、世界最高クラスのセキュリティを誇る《人類史完全(アカシック)保存システム(・レコード)》にも不正アクセス可能なハッキングAIを搭載していて、俺は過去2000年の歴史を走馬灯のように見ることができた。モルモットはそれを見て人類について学び、分析し、王になる方法を模索した。  そして今日、俺は王になる。  人工皮膚を持たない、銀色のボディが剥き出しの自立型戦闘人形(オートソルジャー)の軍勢が、人類最後の砦を囲んでいた。22世紀の終わり頃、人類は〝人道的見地からの、すべての戦争の機械化〟を打ち出したのだが、その選択が自らの破滅を招く結果となったわけだ。  何故なら今の俺にハッキングできないものは、生きた人間の頭の中くらい。イシイが開発したナノマシンの進化アルゴリズムは、現代の科学力では解析に1世紀を要するレベルのものだった。     
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