第1章 解かれた封印

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同じように何かあるといつもここに来ていた小僧がおってな」 そう言って遠くを見るように目を細めた。 「それって、うちの学校の生徒ですか?」 「ん? あぁ、その時は・・・そうだったみたいじゃな」 「その時は・・・・って・・・」 __転校?ってこと? 「あの、うち学校の生徒と結構仲良くしてたりするんですか?」 男性は眉をひょいっとあげ、兎蒼の顔を見ると小さく笑った。 「いやいや。 長くここにおるが、郁学の子らと話すのはお嬢さん、あんたで二人目じゃ」 「一人目の人って・・・」 「う~ん・・・」 男性は大切なものを思い出すように一度空を見上げ目を細めると、何かを思い出したように笑った。 「あれもおかしな小僧であったな・・・ でも、よい(おとこ)であったな・・・」 __どうして過去形なんだろう・・・ 気になりはしたものの、それ以上その人のことについて聞いてはいけないような気がした。 「さてと・・・」 男性はしずかに目線を兎蒼に向けると、優しく微笑み立ち上がろうとした。 「あのっ」 考えるよりも先に引き留めていたのは、完全に無意識だった。 「お名前教えてもらえませんか?」 「わしか?」 兎蒼はコクリと頷く。 「う~ん、あやつはわしを道さんと・・・そう呼んでおったなぁ」 「道さん・・・     
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