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あのっ、また会えますか?」
「わしはいつでも、ここにおるからのぉ~。
いままでも、これからも・・・
縁があれば・・・・また会える・・・」
そう言って今度こそ立ち上がると、境内にむかって歩き出した。
「あのっ、道さんっ」
思わず呼び止めたが、とくに用事があるわけではなかった。
ただ、道さんの纏う空気が妙に心地よくて、もう少し、話したいと思った。
__えっと・・・・どうしよう・・・・思わず呼び止めちゃったけど・・・別に用事もないし・・・・・
__あ、そうだ!
「あの、私に神社のお手伝いをさせてもらえませんか?
えっと・・・、うちの学校ボランティア活動しとかないと単位とれなくて・・・・」
流石に言い訳めいていたかと、兎蒼は胸の前で手を握りしめた。
「手伝い・・・・か? そうじゃのぉ~・・・・」
道さんは立ち止まり、少し考えるようにしていたが、にこりと微笑んだ。
「じゃ、蔵の整理でもしてもらおうかの」
兎蒼はぱっと表情を明るくして顔を上げた。まさか本当に手伝いをさせてくれるなんて思ってもいなかった。
「ありがとうございますっ」
勢いよく頭をさげ、再び上げた時にはもう、道さんは歩き出していた。
「休みの日にでもきなされ。
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