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「ドーム型の結界を作りました。景色が変わってますけど場所はそのままです。が、外からは見えないし撮影もできません。つまりあなたを殺害しても何の証拠も残らない」
へ?何?何言ってんの?
「死になさい」
男の足元の地面に赤い線で縁取られたサークルが浮かび、そこから何かが──巨人が出てきた。二メートルはありそうな肩幅の異様に広い巨人が。全身が青く、岩のような筋肉の鎧で覆われている。そいつが距離をつめ、背中に担いでいた斧を私に降り下ろした。
私はとっさに右方向にかわしていた。しかし私のいた場所にもう一人の黒い巨人がいて斧を掌で防いでいた。その刹那、黒い巨人は空いた右の拳を青い巨人の顔面に打ち込み、一瞬で頭部を肉塊にした。
「ストップ、この状態をキープできます?」え?「私に言ってるの?何なのよ!」
先ほどのサークルが地面に再び浮かび上がり青い巨人の肉体はそこに沈んでゆく。黒い巨人だけが残り、その黒い巨人は構えをといて私を見つめる。中世の騎士のような甲冑を纏い、頭部も甲冑を被っていて、目の辺りから下はマスクで覆われているため顔は殆ど見えない。甲冑の頭部にはSの字を縦に延ばしたようなデザインの突起がある。
「合格です。お見事」
私は何もやってない。…え?これ私が呼び出して私がやらせたの?どうなってるの!
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