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「待ってよ。危機って…戦争してるってことじゃないの?」
「はい」
「はいって…いきなりそう言われても。学校もあるし」
「早退してるじゃないですか。頻繁にさぼってますよね」
「祖母が心配します」
「話は通してきました。あとでお祖母さんから説明があると思います」
「うそ…」
んなばかな。どうなってんの!
「やってはおりませんが、一応説明しておきますと、この惑星の個人の脳内操作はやろうと思えばたやすくできます。あなたにマインドコントロールを行うこともできる。最初のステップとしてモラルを尊重しているだけです、ええ」
「せ、戦争に参加しろってことでしょ?危ないじゃない、なんで関係ない私を巻き込むの…!」
赤い線のサークルが自転車ごと私と男を包み、まばたきの間に私達を祖母の家の庭に移動させた。私が今住んでいる家の庭に。
「ばあちゃん、なんかこの人宇宙人らしいんだけど…」
私がそう言うと祖母はすぐさま返してきた。宇宙に住んでんだから地球人もみんな宇宙人だよと。ネヴィルはダイニングのテーブルについて私達のやりとりを黙って聞いている。
「それはともかくあたしらは…あたしら一族の祖先は別の銀河から移住して来た移民なんだ」
ええ?何言ってんの?
「へ?…なんで移住を?」
「千年以上前の話さ。あたしらの祖先は戦闘種族だったんだけど、その中でも強すぎたのよ…その時代の権力者に忌み嫌われる、危険視される存在でね、結局住んでる国から、次は星から、次は銀河から追放されたの。今みたいに宇宙連邦があればそこに所属する道もあったんだろうがね。これまで何度か打診があったんじゃが断ってきてたんだ。でももうこの星だって安泰じゃない、保険はかけとくもんだよ」
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