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明美が庭に西瓜の苗を植えた。
干瓢の苗に西瓜の苗を接木した、
丈夫な苗だった。
梅雨の間に、
西瓜の蔓は四方八方に伸びた。
狭い庭は一面の緑の海のようになった。
「茂り過ぎたわ。
少し切ろうかしら」
明美は、
西瓜の蔓を切った。
花や実がいくつかついていたが、
少数の実に栄養を回すためにも、
切る必要があった。
「痛いっ」
切り取るときに声が聞こえた気がし、
明美は周りを見まわした。
が、
誰もいなかった。
明美はふたたび蔓を切り始めた。
「やめて」
また悲鳴が聞こえた。
明美は、
手の中の蔓をじっと眺めた。
声はここから聞こえた。
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