終電車

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 飲み過ぎて明らかに乗るべき電車を間違えてしまったことも、あわてて変なところで降りてしまったことも、いかにもまずかった。 (酒を控えないと)  反省したが、もう遅い。というか、これに似た反省するの、何度目だろう。  探しても駅員はやはりおらず、自動改札にすらなっていない。勝手に出入りしていいようだ。今時こんな駅があるのだろうかと不思議に思った。  改札をやや申し訳なさを感じながら勝手に通って駅の外に出てみた。  やはり誰もいない。自動販売機が何台か、こうこうと明かりをつけているだけだった。  ここから金はかかるが、タクシーを捕まえて戻れるかもしれないなどと考えてそのまま車の音がする道路の方に歩いて行った。  だが近づいてみると、道路を走っているの轟々と恐ろしい音を立てて走り抜けていくトラックばかりで、巨大な怪物たちが暴走しているようで道路に近づくのもはばかられるようだった。おそるおそる手を挙げてみたが、トラックの群れはまったく気づく様子もなく機械的に走り抜けていく。  これはもう、明日の朝の始発に乗って戻るしかないなと私は諦めて駅に引き返した。  比較的暖かい時分だったが、ただベンチでごろ寝するのでは冷えそうので私は自動販売機に寄って暖かい飲み物は売ってないか探してみた。     
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