終電車

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終電車

 しまった、と思ってあわてて電車から飛び降りた。  二次会までしこたま飲んだので、どうやって駅に行き着いたのて電車に乗ったのかまるで覚えていない。  電車の中で目を覚ました時、直感的にこれは違う方向に向かっていると思うより早く直感的に身体が動いて、気づいたらホームに出ていた。あまり急いだので、電車の閉まりかけていた扉が身体をかすめたようだった。  降りて改めて気づいたが、明らかに、乗る電車を間違えていた。  駅には誰もいない。客はもちろん、駅員すらいなかった。  窓の外の暗さがいつも通っている住宅地のそれとは明らかに違い真っ暗だったが、そう改めて気づいたのは飛び降りた後だった。  降りたはいいが、今のが終電車ではないかと改めて気づき、すぐに後悔して振り返ったが、すでに電車はどんどん小さくなって暗がりの中に消えていった。  これはまずかったな、と私は駅に一人佇んで途方に暮れた。  駅名も全く聞いたこともないような名前だ。どこの県かもわからない。  駅にかけてある時刻表とスマホの時計と照らし合わせてみた。どうやらやはり今出て行ったのが最終列車だったらしい。  私はいまさらのように後悔した。     
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