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暫く、ベランダで、母と星空を見ていた。
会話が消えてから、間が空いた時、母は口を開いた。
その時のことを私は、何故か、今でも覚えている。
「お母さん…」
思わず、そう口から出た。
自分の部屋で立ったまま、机の上に置いてある、ある物を目にして、手に取った。
手元には、母が私に残した交換日記。
そして、御守りだった。
その御守りを胸で抱え、ぎゅっと握った。
その後に、交換日記を振り返るように、次から次へと捲り続け、目の前の景色がぼんやりとしていた。
「ねえ、結衣」
「うん?」
首を傾げながら母を見る。
その時の母の表情が今でも浮かぶ。
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