高鳴る魔女

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  その日えりな氏は言葉通り、すぐにちゃんと出勤してきた。 「体調が悪い」と最初に言い訳したおかげか、わたしも彼女も咎められることはなかったけれど、胃の下のほうでしくしくと気持ち悪い痛みを訴えている。  わたしたちの様子をうかがう智久さんの視線や、えりな氏に大丈夫かと素直に訊けないスズケンの態度のせいではなかった。  ご近所の商店周りの仕事を与えられていたわたしは、何度もスマホのアドレスを見てはさらに胃を重くする。  ──話をつける、と決めたものの。  情けないことに、どうやって件の人に約束を取り付けたらいいのかということを決めかねていた。 .
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