世界がもし善人で溢れたら

1.戦争が無くなる

　善の定義より、善とは即ち全体の調和である。
　例えば魚などは、遊泳中に衝突が起きそうなら、互いに進行方向を変えて道を譲り合う。
　人同士もまた、自身の拘り、あらゆる執着を捨てて全体としての調和を目指せば、個々の方針転換も可能なはず。
　となれば、世界が善人で溢れたなら醜い争いは消えてなくなり、付随して戦争に必要な存在も消えていく。
　平和な世界に不要な存在は、武器と武器商人、軍隊と兵士、軍事関連装備やそのメーカー、諜報機関とその装備一式……等々である。

　それだけの人員・場所・資源・エネルギーが不要になり、それらがフリーになれば、もっと他の建設的な事業に回せる。
　もっと多くの死にゆく人々、廃れゆく自然界を救えるはずだ。