序章とあらすじなるもの

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序章とあらすじなるもの

 それは遥か昔、神々によって創り出された絶対不可侵の領域でございました。ええ、それは未来永劫不変でございます。  この世とあの世は神・精霊・人・幽・妖・邪・魔界・地獄と八つの階層に分けられており、当然神々がそのトップに君臨なさっておいでです。八つの階層は、互いの世界を侵さぬよう境界線をはってこの宇宙の均衡が保たれているのでございます。  ですが精霊界や人の間や、幽界と妖界など、階層と階層の境界線に存在するモノは、あちこちに移動して悪戯(おいた)をする傾向にございました。  よって、小競り合いが起こったりもしがち。特に、『全てを手に入れたモノはあらゆる願いが叶う』と言われております「十種神宝(とくさのかんだから)」については、それら全てを我が手にしようとあらゆる階層のモノたちが、血で血を洗うような凄まじき争い事を繰り広げてきているのでございます。ええ、今に始まった事ではございません。遥か(いにしえ)より争い事を繰り返して来ているのでございます。  人間に至っては。ごく一部の者が参戦している程度で、ほとんどは「伝説」「お伽話」としてお話を楽しんだり、または何も知らなかったりと。そのような状況のようですね。  さてさて、これから始まるお話は……。 自殺を決意するほど凄惨な生活を送っていた少女が、ひょんなことから妖界へと移り住む事になり、少しずつ自分たしさを取り戻しで力強く生きて行く術を見出して行く物語にございます。  その妖界では、『マウンティング種族』といって、自分が最も優れている、と格付けし合う種族と、『独種族(ひとりしゅぞく)』、各自の自由を尊重しあう『自由尊重種族』の三つにわかれております。この中でマウンティング種族が、十種神宝の一つを手に入れ、残る一対の足玉を手に入れて全ての界層を支配しようとしておりました。それを阻止する為に、独種族・自由尊重種族が手を組み、少女をも巻き込んで参戦します。  さて、ごゆるりとお楽しみくださいませ。
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