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「どうするんです、千早さん」
「現場検証と行きますか、警部殿」
「危ないですよ!」
「無論私は見ているだけだ。やるのは警部殿だよ」
「ですよねー!」
あっはっはーと笑いながら、警部は部屋の中に入った。冷静な顔して千早もそれに続く。
中は車両の半分を使ったスペースになっている。そこに錆びくさい、むせ返るような血のにおいが充満している。
「被害者は女性。年は十代中ごろ。女学生に見えますね。彼女は後頭部から血を流しています。おそらく背後から攻撃され、そのまま前のめりに倒れたのでしょう。この出血では……。残念、脈は止まっています」
警部は丁寧につかんでいた少女の手首をゆっくりと下ろす。そして、部屋を見回した。
「しかし、なぜこんなに装飾品の類が散乱しているのでしょう。あぁ、こんなところに私のプレゼントした、千早さんの宝石箱が」
警部は一通り遺体の状況を確認して、二人が待つ入り口まで戻ってくる。
「警部殿、事件を整理しよう。この部屋にはボーイが食事を呼びに来るまで私たちがいた。この記憶に間違いはないよね」
「もちろんです、千早さん!」
二人出会いを睦み合っていました!……そんな言葉を千早は無視して続ける
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