1 神降千早の事件簿 その壱

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「館の主である榛原殿はとても寛大な人だ。君をきっと快く迎え入れてくれるよ。この事件が落ち着くまで身を寄せたほうがいい。美しい桜の木の下にね」 「……」 想像を膨らましてみても彼女の稚拙な生涯では思いもつかない。 「私と行こうよ」 「……はい」 捕まる恐怖に断れる雰囲気ではなかった。そして、好奇心を大きく刺激されてしまったのだ。 「うふふ、じゃ、二人ともよろしく」 全てが思い通りに行く。すっかり千早の掌の上で踊らされる二人であった。
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