きみに

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きみにたったひとつを伝えたくて こんなに手紙を書いたんだ もどかしくて破り捨てたものもあるけれど それでも筆は止まらなくて もうおれひとりじゃどうしようもない ただひとつ、掬い上げてくれたなら たった一言だけでも読んでくれたなら この紙くずたちは報われるだろうか いいや やっぱり読まなくてもいいよ 限りあるきみの時間を切り取って この想いを伝えたいだなんて ゆるされない そうわかっていても それでも一言だけでも、と願うおれは それでも書くのを止められないおれは やっぱり身勝手でどうしようもない ねえ、
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