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僕が生まれるずっと前、地球の大気圏内で大型の隕石が燃え尽きた。
滅亡まで覚悟していた人類は拍子抜けをした。
そして、何も起きなかったことに歓喜した。
だが、消えたと思われていた隕石は目に見えない単位で地球を支配していた。
そのことに人類が気づくのはそれから数十年後、明確な超能力を使える人間が生まれてきたことを起因とする。
それまでも、科学では説明できない力を持った人間はいたが、力としてはかわいいものだった。正月のテレビの特番で、さながら手品師のように茶の間をわかす器用な人。
タネがあるんでしょ?
誰もが本当の超能力者だとは思わない程度。
しかし、時が経つにつれ力は濃くなり、誰もが本物だと疑わないようなところまで到達したというわけだ。
世界は初め、彼らを持ち上げた。
素晴らしい力だと。
そして、素晴らしい力は研究され、戦争に応用された。この過程を経て、少しずつ能力者は人権を奪われ、使われる側へと押しやられていく。
僕が能力者の母と非能力者の父との間に産声をあげる十一年前、耐えきれなくなった能力者達が手を組み、各地で暴動を起こした。やり方はそれぞれの国やグループで異なったが、非能力者達は彼らの所行をひとまとめに考えた。
奴らは人を人と思わず殺す危険分子だ。
自分達がしてきたことはいったいどこへ行ったのか。
歩み寄ろうとすれば裏があると両者が両者を信じ切れず、対立は世界経済をどん底へと沈めた。
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