4名の受験者

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「それじゃあたしは、完全に日が落ちる前に荷物を取ってくるね」  タシャが動じた様子もなく、立ち上がる。  リサも落ち着いた様子で頷き、行ってらっしゃいと声をかけている。  マルコとクリストファーは、信じられないという顔をした。 「タシャ」  マルコが慌てて荷物を掴んで、歩き出す背を追う。 「一人じゃ危ないっしょ。オレも行く」  ありがとうとタシャが答え、2人の背中が木々に隠れた。 「ごめんね」  リサが抱えた膝に顔を預けて呟く。  何が、とクリストファーは問う。 「身体を、治しきれなくて」  自嘲が、彼女の伏せた瞳に浮かんだ。 「偉そうに言っておいて、情けないわ」  溢し、リサはハッと顔を上げる。 「あ、あの……」  彼は弱音を吐いたりしてもいい相手ではないと、思い出したのだ。 「忘れて、今の」  彼のこと、全くオーフが一端の口をきいておいて、とでも言われそうだと、彼女は慌てた。 「……いや」  しかしリサの予想に反し、彼は静かな声を返す。 「君が癒術師で助かったよ」
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