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木々の向こうから話し声が聞こえ、リサとクリストファーは、友人達が戻ったことを知った。
「お待たせ」
タシャとマルコが姿を見せる。
「結構暗くなってきたね。食事、早く済ませちゃおう」
言いながらタシャは、荷物から水と保存食を取り出す。
「そうね、もう喉がカラカラ」
リサも、自分の荷物へ手を伸ばした。
同じくマルコも、荷物を開ける。
まだ開けていない水は、3人で出し合っても4本のみだった。他に飲みかけを合わせて2本弱、つまり全体の計では6本弱。
クリストファーの瓶は、割れてしまっている。
「……絶対的に足りないわ」
リサが呆然と呟き、タシャが顎へ手を当てた。
クリストファーとマルコは、居心地悪げにしている。
「明日も暑くなるだろうしね」
「かと言って、道を急げる状態でもないわ」
しばしの沈黙の後、よし、とタシャが口を開いた。
「今夜開けるのは1本だけにしよう。明日もかなり辛いけど、明日中にゴールすれば何とかなりそう」
リサが頷く。
「オレ達、明日中にゴールできるんかな」
マルコの口から、ぽつりと不安が漏れた。
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