4名の受験者

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 そう、とタシャは頷く。 「崩れる瓦礫は致命傷を与えない。猛る獣にも、負った傷にも、必ず何かしらの打つ手がある」  マルコは唖然とした。 「それを、パニックに陥らずに見つけられるかどうか」  クリストファーが、なるほどと呟く。 「あたし達はこの試験区でのそれを、もうクリアしてる。だから……」 「じゃあ何で」  マルコが強い口調でタシャを遮った。 「オレが試験官を呼んだ時、何で1人は化け物を追い掛けてったんだよ」  リサがくすりと声を漏らし、マルコに睨まれた。  ごめんなさい、と彼女は笑顔で言う。 「多分、あなた達が思いのほか、よくやり過ぎたのよ。だから制御が効かなくなったんだと思うわ」  だってマルコの腕ってすごく正確なんだもの、とまた彼女は笑う。  マルコは呆然とし、本当なのかよ、と呟いた。 「多分、ね」  リサとタシャが声を揃える。  クリストファーが大きく息を吐いた。 「考えたところで僕達に答えは出せないだろう。試験官のみぞ知る、だ。それよりも早めに身体を休めよう」  はあ、とマルコが呟き、一同はクリストファーの言に従った。
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