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「篠宮は向こうから声かけてもらっていいな~って羨ましかった!」
と菊池君が言うと、皆一様に首を縦に振る。
そうなのだ。斎は声をかけてもらったおかげで就活をしていない。
エントリーシートや履歴書を延々と書かなければいけない苦行、選考で弾かれる切なさを知らない。
「でもまぁ、篠宮なら普通に就活してもあっという間に決めてたと思うけど」
「お前と一緒にするな、藤代」
斎が憮然とした表情で抗議する。
そうだ、藤代君もほとんど就活せずに決めていた。彼は第一志望の出版社からすんなり内定をもらい、早々に就活とはおさらばしていたのだ。
「っていうかさー、キミタチはほぼストレートで就職決めてるじゃない?!」
杏奈のツッコミに私は思い切りコクコクと同意する。
彼らはなんといっても有名人。大学でもテニスの実績を残しているし、元々華がある人達で、落とされることはなかった。
数社受けた菊池君や進藤君も、結局は自分の希望に合う会社を選り好みしたからだ。
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