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「祐はホント篠宮と舞さんに懐いてるよね」
相変わらずのアルカイックスマイルで藤代君が楽しそうに会話に加わってくる。
「この人はともかく、なんで部長に懐いてることになってんスか」
南条君は藤代君にそう文句を言うけれど、私は南条君に言いたい!
「この人って何よ! ちゃんと名前で呼びなさいよね!」
そう、南条君はいまだに私を名前で呼ばない。
「南条くーん! 私は?」
「……杏奈さん」
「ちょっと! なんで杏奈は名前で呼んで、私は呼ばないの!?」
「もー、舞ったら妬かない妬かない!」
杏奈は完全に面白がっている。
「だから。祐はいまだに篠宮に気を遣って舞さんの名前を呼ばないんだよ。皆が舞さん舞さんって言ってると、篠宮の機嫌が悪くなるから」
「え? そうなの?」
高校の頃、斎が皆に私の名前を教えようとしなかったことがあったけど、それはもう今更といった感じになっているのに。
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