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私と斎が店員さんに案内されて部屋に入ると、そこにはすでにほぼ全員が集まっていた。
「お疲れ~! こっちこっち!」
元気な笑顔で空いた席を指差す菊池幸也君。
彼は私達グループのムードメーカだった。いつでも明るい楽しい雰囲気にしてくれる。
そんな彼の就職先はスポーツクラブだ。きっとそこでも人気者になるに違いない。
「久しぶり、篠宮。舞さんも元気だった?」
柔らかな笑みを浮かべるのは、藤代駿介君。
中世的な容姿で人当たりの良い彼は、王子様という表現がピッタリで女子の人気もものすごい。ちょっと腹黒曲者という部分もあるけれど、仲間思いだ。
彼は大手出版社に就職が決まっている。
「はい、これメニューね。もう皆飲み物は決めたから」
そう言ってメニュー表を渡してくれるのは、進藤雅治君。
淡々とした口調が特徴で、いつでも冷静沈着。突然のアクシデントにも動じない。用意周到な彼のおかげでピンチの時に随分と助けられたものだ。
彼の就職先は製薬会社。
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