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「それは後な」
「え~っ! でもホントにオススメなんだよ!?」
「それはわかるけど、まずは二人に飲み物決めてもらわないと乾杯できないだろう?」
「う~……わかった」
淡々とした進藤君の口調と、明るく早口な杏奈の口調はちぐはぐなようで妙に噛み合っているから面白い。
そうそう、意外なことにこの二人は二年前から付き合っている。
杏奈は、最初は藤代君を狙っていたようだけれど、気が合いすぎて友達のようになってしまったらしい。杏奈も策を巡らすタイプだし、藤代君と通じる部分があったんだろう。
そうこうしているうちに、自分とは全く逆のキャラである進藤君に惹かれ、杏奈らしくあの手この手で進藤君を見事落とした。
──と、杏奈からは聞いていたけれど、私的にはそれは半々かなと思っている。
進藤君は何となく全て見越していて、わざと杏奈の策に乗ったような気がする。
まぁ、策に乗ったということは、進藤君も杏奈に惹かれていたわけだけど。
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