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「杏奈、後で話聞かせてね」
私がそう言うと、「そうこなくっちゃ!」と杏奈は嬉しそうに顔を綻ばせる。
「俺は決めた。舞は?」
斎から手渡されたメニュー表を眺めながらあれこれ考えていると、斎が小さく呟いた。
「ほどほどにしとけよ」
「わ、わかってるって!」
実は私はお酒にあまり強くない。
一度フラフラになって歩けなくなったことがあるという前科があった。
その時の飲み会は神女でのもので、女子ばかりというのが私の気を緩ませたのだった。
その場のノリで次から次へと飲んでしまい、ハッと気付くと腰が立たなくなっていた。
頭もクラクラしていてロクにしゃべることもできなかったので、杏奈が斎に連絡してくれ、迎えに来てもらい事なきを得たのだ。
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