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「あら、今日は篠宮君が傍にいるから羽目外しても大丈夫じゃない!」
「確かに! 羽目外した舞ちゃん、見てみたい!」
「菊池、こいつを調子に乗らせるな」
杏奈の悪ノリに即行で乗っかる菊池君に釘を刺す斎の顔には、眉間に皺。
「大丈夫だよ! ちゃんと自制します!」
私が斎の眉間の皺を指でグイと伸ばしながらそう言うと、クスクス笑いながら藤代君が頷いた。
「うん、それがいいと思うよ。篠宮も気が気じゃないと思うし」
藤代君をギロッと睨む斎。藤代君はいつものこととばかりにニコニコ笑顔を崩さない。
このメンバーでいると、何気に斎は弄られ役だ。
それでも、皆は斎をまとめ役、リーダーとして慕っていたし、信頼を寄せている。
そのことは皆と付き合うようになって、ずっと見ていてとてもよくわかった。
だから、斎だって本気で睨んでいるわけじゃない。斎が本気で怒ると空気が凍るほどの威力を発揮するのだから。
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