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私がアメリカへ行く日、怪我をして、病床にいたから見送りにいけなかったと、いまだに寂しそうに言う。
「もう、怪我はなんともないの?」
『もう1年以上たってるし、平気。元気だよ』
「そう」
『雅が帰ってくる日は、ごちそう作らなきゃ何食べたい?』
「んー。じゃあ和食がいい。アメリカジャンクフードばっかで飽きた。清水さんがたまに日本食作ってくれるけど、やっぱ日本のごはんが一番いいね」
『ふふ、わかった。じゃあ雅の好きな煮物とお味噌汁作っておくね』
そういわれ、帰るのがいっきに楽しみになる。
『そういえば、田島君と連絡とってる?』
「取ってるよ。電話しろしろうるさいし、かけなきゃかかってくるし」
『ふふ、相変わらずいいコンビだね。田島君もきっと早く帰ってきてほしくてうずうずしてるだろうね』
「えーどうだろう」
うずうずされてもなぁ。
『雅が禁煙しろっていうから、田島君最近なに口にくわえてるか知ってる?』
「なに、なんか咥えてるの?」
『お菓子のシガレット』
思わず、想像してしまい吹き出してしまう。
なにそれ、ちょっとウケる。
「ってか、禁煙してたんだ。ちゃんと」
『雅には恥ずかしいから言うなって言われてたんだけど、雅にちゃんと禁煙してたよって言っとこうかなって思って。言っちゃった。僕が話したって内緒ね?』
律儀だなぁ。
てっきり我慢できなくなるとおもったのに。
それするなら少しはだらしがない生活見直せばいいのに。
『まぁ、そういうことだから。明日、気を付けて飛行機に乗って帰ってくるんだよ?』
「わかった」
『じゃあ、きるね。お休み、雅』
「おやすみ、明弘」
ツーツーと規則正しい機械音が聞こえ、そのまま携帯を置く。
はぁ、1年間長かった。
日本に帰れば、仕事してなかった分取り返さないと、体も軽く鈍らないように動かしてはいたが絶対鈍ってる。
ベッドへ寝転び、ふぅっと息を吐く。
明日、ようやく日本へ戻るんだ。
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