第4章 心配性の王子様

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 それから頼んでいた出前のお寿司が届き、遅い昼食をいただいた。  食事のあと、わたしと両親は世良さんのアパートをあとにする。  本当はその日の夕飯はわたしが作る約束だったのに、世良さんが「親子水入らずで過ごしておいで」と、わたしを送り出してくれた。  おかげで、買い物をしたり、博物館に行ったりと、十分楽しめた。  それまでは毎年帰省していたのだけれど、前の会社を辞めて以来、なんとなく気が引けて実家に帰っていなかった。両親に会うのは実に二年ぶりだったのだ。  そして夕飯後、両親が宿泊するホテルの一階のティーラウンジでお茶を飲んでいたとき。 「ちょっと、ごめん。電話してくる」 「世良さん?」  スマホを持って立ち上がったわたしに母がたずねた。 「うん。帰る頃になったら電話をしなさいって言われたの」 「やさしい人ね。亜矢のことを心から大事にしてくれていることが伝わってくるわ」  母が穏やかに目を細める。わたしは少し照れくさくなりながらも、「うん」とうなずいた。  ホテルのロビーに移動して世良さんに電話をすると、『すぐに迎えにいくよ』という返事だった。 「ゆっくりでいいですよ」 『いや、すぐに行けるから。ロビーで待っていて。着いたら電話するよ』
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