第5章 結婚前提同居のはじまり

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 世良さんの家にお世話になって三日目の日曜日。  最終日の今日は午前中から夏を思わせるようなまぶしい日射しが降りそそいでいた。  よく晴れた空の青さを見て気合が入ったわたしは、朝から布団を干してシーツと枕カバーを洗濯機に投入。それから窓を全開にして部屋中に掃除機をかける。お風呂とトイレの掃除を終える頃には十二時近くになっていた。 「お昼ごはんは、お蕎麦にしようかと思うんですけど。冷たいのとあったかいのと、どちらがいいですか?」  自宅用のノートパソコンで仕事をしている世良さんに話しかける。昨日、会社から資料を持ち帰ってきたらしく、ダイニングテーブルの上にはそれらが無造作に置いてあった。 「今日は暑いから冷たいのにしようか」 「わかりました。今から作りますね」  まずは鍋にお湯を沸かし、それから冷蔵庫を開けた。  冷蔵庫には、昨日買った食材がたくさん入っている。わたしは蒸し鶏のサラダのお皿を取り出した。お蕎麦だけでは足りないような気がしたので、今朝のうちに作っておいたものだ。鶏肉は電子レンジで蒸して、ニンジンときゅうりを添え、ごま塩ドレッシングをかけてある。
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