第5章 結婚前提同居のはじまり

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「実際にお会いして、お母さんは家でも楽しそうに家事をしているイメージだよ。明るい家庭が想像できた」 「そうですか?」 「それは亜矢ちゃんを見ていてもわかることだけどね。亜矢ちゃんはお母さんによく似ているよ。いつもハツラツとした顔で受付の席に座っていたし、さっきもキッチンで楽しそうだった」  そんなふうに見えたのならうれしい。普通にしていたつもりだったけれど、世良さんの目にはそんなふうに映っていたんだ。 「僕も楽しかったよ。亜矢ちゃんが僕の奥さんみたいだなって思いながら、ひとりでニヤニヤしてた」  キラリと瞳を瞬かせ、極めつけはニッコリスマイル。王子様にニヤニヤされる自分を客観的に想像して、こっちのニヤニヤが止まらなくなりそう。  そんな、ゆるーいランチタイムを過ごしたあとはふたりで食器のあと片づけ。家事をやり慣れている世良さんは手際よく、次々に食器を洗っていった。  わたしはすすぎ担当。そのあと世良さんが食器をフキンで拭いてくれて、わたしがそれを食器棚にしまった。
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