第5章 結婚前提同居のはじまり

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「だめかな?」 「世良さんのお気持ちはありがたいと思っています。でもそれだと……」 「なに?」 「身体に悪いです。わたしがベッドを占領しちゃうことになるので」 「理由はそれだけ?」 「いいえ、あの……」  本音を言えなくて黙り込む。素直になれない自分が嫌になる。世良さんはいつもストレートに気持ちをぶつけてくれるのに。 「ベッドの問題だけならOKということになるよ」 「え?」 「布団を買おう。それをリビングに敷いて僕がそこに寝れば問題ないよね」 「でも……」 「さっきから『でも』ばかりだね。どうして避けようとするの? そんなに僕が嫌?」  強い意志をみなぎらせた瞳で世良さんがわたしを見る。その姿は強くてたくましい男の人。まごまごしているわたしに強引に迫ってきて、気づけばわたしは逃げ場を失っていた。
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