第5章 結婚前提同居のはじまり

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「気に入った? ルームウェア」 「ルームウェアといえるほど健全じゃないでしょう、これ。どう見てもベビードールなんだけど」 「商品名はキャミソールセットアップ・ルームウェアなのよ」  たしかにショートパンツもついている。キャミソールとおそろいのピンクのレースが裾の部分を彩っていてかわいい。スケスケだけど。  世良さんの前でこれを着ろということなのだろうか。絶対に着ないけど。 「これを届けにわざわざ来たの?」 「そうよ。それに顔を見るまで心配だったのよ。でも元気そうでなによりね」  心配してくれるのはありがたいが、余計なお世話も含まれるから困る。 「たくさんご心配をおかけしました。春山社長にもすごくお世話になったの。あっ、春山社長なら、お昼前には戻ってくるよ」 「いいのよ、あの人には用はないもの」 「でもせっかくだから、もう少しだけ待って、ふたりでお昼に行けばいいのに」  もうすぐお昼休みなので、言ってみる。
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