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ベシャリと重々しい音を立て、ずぶ濡れの軍服を脱ぎ捨てながらゆっくりと近づいてくるサルダンに、アレアの身体は恐怖に固まった。
「い、いや……」
首を横に振って目の前に来たサルダンの申し入れを断ったアレアに対し、彼は彼女の胸倉を掴みあげて大きく手を振り上げ、その頬を痛烈に打ち抜く。
アレアはその衝撃に為す術も無く叩き倒されてしまう。そこへ、サルダンは容赦なくのし掛った。
「つべこべ言ってねぇで、俺の相手になれって言ってるんだよ!」
「いや! いやあぁあぁあぁぁっ!!」
サルダンは乱暴にアレアの衣服を剥ぎ取り、白い肌に無理矢理唇を寄せた。胸を吸われ、首筋を吸われ、冷たい手で乱暴に握られる胸には痛みだけが残る。
アレアは涙をこぼし、背中を這い登ってくる悪寒にきつく瞳を閉じる。
これは、叔父の家にいた時と同じ。こんな事がまた起きるとはどうして想像出来ただろう。
一方的に愛撫され、首筋にかかるサルダンの熱い息が強烈な吐き気を呼び起こした。その次の瞬間。アレアの心臓が一度大きく脈打つと、槍が突き抜けたかのような激しい息苦しさと痛みが駆け抜けて行く。
「うっ! あ、く、ぅぅ……っ!」
大きく乱された素肌の胸に爪を立て、アレアは青ざめた顔でもがき始める。
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