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大変なことになった。
あのべリアルが、サン・クレールというものを使ってこの国を──世界を乗っ取るつもりだ。今夜また協力者のルーシェと会うということは、どんどん話を進めていく気に違いない。
つい盗み聞きしてしまったことだが………否、もしかしてこの一連の話を聞いたことは、べリアルの陰謀を阻止せよという、大神リアーの思し召しかもしれない。
急がなければ。平和で美しいこの国を守らなければ。
足音が完全に消え去ってから、イーリスはがばりと身を起こした。そして不自然なほど足早に、宮殿へと向かった。
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