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心優しい彼は、願い事2つのうち一つは国の全ての人を平等にするために使い、あと一つは願い事をせず種にした。
不思議なことに、願いをかけた花は実らずに枯れてしまう。願いをかけなかった花だけが実を結ぶのだ。
その後何回育ててみても、3つの蕾がなり、2つの花が咲く。元々無欲な彼はただ花を咲かせ、実らせ、種を増やすことを楽しみに育てていった。
この種が後に大きな戦争を引き起こすとも知らずに…。
国民がある程度平等に暮らせるようになると、働いても働かなくても平等に暮らせると気づいた者達が働かなくなった。一人辞め、また一人辞め、結局またもとの生活レベルに落ちてしまった。
少年だったサジンはすでに大人になり、家族を持ち働いていたが、不思議な花を育てることだけは止めていなかった。
彼がこの世を去るとき、種の数は100を超えていた。最期に彼は彼の子供3人に平等に幸福草の種を分けて与えた。
「大切に育てると、二つの花が咲く、その花の数だけ願いが叶う。願いをかけなかった花だけが実を結ぶ。決して悪用してはならない」
そう言って彼は永遠の眠りについた。
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