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種を受け継いだ3人の子どもたち、長男スタン、長女ココ、次男ジタンのうちスタンは一度育てたきり二度と育てなくなった。花の力が恐ろしくなったのだと言う。
そんなスタンを馬鹿にしたジタンは欲張って一度にたくさんの種を植え育てたが、すべて枯らしてしまった。
一方ココはというと、父親の遺言を守り一つずつ丁寧に育て、世界が平和になるよう小さな願い事を一つずつかけていった。
どんな人にも仕事が与えられるように。
誰にでも幸せになる可能性を持てるように。
全ての人の命には同じだけの重さがあるように。
悔いなくこの世を去れるように。
そして彼女はこの世が永久に平和であるよう願いをかけた。
ところが、人とは欲張りな生き物で平和であると退屈を覚える。なにか違うことがやりたくなる。ジタンもその中の一人だった。
ジタンは、スタンのところに残っている種をずっと狙っていたのだった。
スタンもまた人がよく、弟をとても可愛がっていたため、弟に頼まれると嫌とは言えずに残っていた種を全て弟に譲ってしまったのだ。
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